卒論に関する論文が暗い内容でごめんね、という感じ。

こんばんは。
またまた更新ができておらず、すみません…。就活の飲み込まれて、このまま21卒から抜け出せないような気さえしてきました、高橋です。
GWに入って、一端就活がストップするので、就活も卒論も追い込みをかけれたらいいなとは思っています。

さて、今回は、「卒論に関して読んだ文献などは,ゼミブログの場を活用してどんどん自分の言葉でまとめていってください。」との言葉を受けて、読みたいと思ってストックしておいた文献について、まとめていってみようと思います。対象は、国立精神・神経医療センター精神保健研究所の赤澤 正人さんと松本 俊彦さんの『若年者における自傷行為と死生観の関連』です(以下、ですます口調を解除してます)。

 

この論文を読む目的は、自殺する人としない人の違いについて知るためだ。
まず、ここで述べられている自傷行為とは、自殺以外の目的から非致死性の予測を持って、故意に非致死的な損傷を自らの身体に加える行為のことである。
しかし非致死性の範囲内で行われているとは言え、『自傷行為は、繰り返されるうちに自殺念慮を抱くに至り、自殺行動におよぶことはまれではなく』と述べられているように、自傷行為は自殺に対して影響を与えていることは明らかである。
論文内での分析によれば、自傷行為経験者の6割強に自殺念慮、2割強に自殺企図の経験が確認されており、自傷行為は自殺を促進させることがわかる。
また、対象が若者となるが、自傷経験がある人は自尊心が低いとも述べられており、自尊心の低さと自傷経験の有無が、自殺を行うに至るまでの心理に影響を与えていると言える。

ここで気になってくるのは、自傷経験がある人の自己評価である。自己評価は自尊心の低さとも関連性が高いため、調べることにした。
大石さおりさんの『ピアッシング,コスプレ,自傷行為と自己概念との関連性の検討』によると、自傷経験がある人は、他者から見られている自分の評価は高い部分も低い部分もあり、評価が矛盾している傾向があった。また、自分から見た自分の評価は低い傾向があった。このことから、自傷経験がある人は、自分が他者からどう見られているかについての評価が不安定であり、かつ、自分自身に対する評価が低い、つまり自己評価が低いと言える。要するに、自傷経験のある人は、自己評価が低いことが明らかである。

これらの論文を読んでわかったことは、
自傷行為は、自殺念慮や自殺企図を促進させる
自傷経験のある人は、自尊心が低く、他者から見た自分の評価が不安定であることが多い
である。
まとめると、自殺行為に至る人は、自尊心が低いことや他者から見た自分の評価が一定ではないために自傷行為を繰り返し、その結果、自殺という手段を選ぶということになるのではないかと考える。

 

今回はここまでにします。読みたい論文のストック自体は沢山あるので、就活に疲れた時にでも読んで、ブログに書き残していきたいと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


参考文献
ピアッシング,コスプレ,自傷行為と自己概念との関連性の検討』
大石さおり
日本家政学会誌 Vol.62 No.12 59~68(2011)

『若年者における自傷行為と死生観の関連』
赤澤 正人、松本 俊彦
国立精神・神経医療センター精神保健研究所