悩み事➗拠り所の数=メンタル耐え度

こんばんは。

またしばらく期間が空いてしまいました。すみません…。

ちょっと就活でバタバタしております。

 

前回は、

精神疾患を患う人はその程度に関わらず、希死念慮が強ければ自殺に至りやすい

ということが明らかになりました。

ですので、死や自殺に対する価値観である死生観や自殺観を青少年に限定して見ていきたいと思います。そのため今回は、影山 隆之さんの『最近20年間の日本における青少年の死生観・自殺観に関する研究』を読んでいきます。

 

この論文によると、死生観や自殺観が生まれるのは身近な人との死別体験が多いとされている。そのため、学生生活や日常生活への不適応感から「生まれ変わりたい」と考える人は、死別体験のある人に多い。しかし、こういった考えは歪んだ死の概念を形成・助長するとされており、論文内の調査における『「生まれてこなければよかった」「生きているのが嫌だ」などと自らの’生’を否定的にとらえる小中学生が、約6%みられた』『小 中学生 の9%が 「場合によっては自殺はゆるされる」』という結果からも、「生まれ変わりたい」というある種の再生願望が、歪んだ死生観や自殺観の形成に携わっていることは明らかである。

 

また論文内には希死念慮における調査が複数あり、その結果からは男子よりも女子が希死念慮を抱きやすいということがわかる。この希死念慮を抱く原因は、学校問題が一番大きく、ついで家族問題であった。そのため、学校や家庭以外に自分の拠り所となる場所を探すツールとして、インターネットが使われるようになった。インターネットで匿名的に知り合った人々による複数自殺が起こるのは、自殺するかどうかの瀬戸際に立っている人同士で集まることで、ある種の仲間意識が芽生えるからだと考えられる。

 

この論文から、私はふと『ウェルテル効果』が頭に浮かんだ。ウェルテル効果とは、一般的に知名度や人気の高い人間が自殺すると、連鎖的に自殺が増えてしまう現象のことである。次は、この効果について調べてみたいと思う。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

参考文献

『最近20年間の日本における青少年の死生観・自殺観に関する研究』

影山 隆之