公的機関の文書って論文より読みやすい!

こんにちは!今日も暑いですね!

エアコンをケチって付けずにいたら、見事熱中症になって点滴打ちました。

皆さんも、室内での熱中症には気を付けてください。泣

 

今回は、自殺の報道の仕方の遷移について調べるための前段階として、『自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識』という厚生労働省が2017年に出した資料を読み解いていきたいと思います。これは、2017年に世界保健機関(WHO)により公表された「Preventing suicide: a resource formedia professionals, update 2017」(https://www.who.int/mental_health/suicide-prevention/resource_booklet_2017/en/)の日本語訳、すなわちメディア関係者に向けた自殺対策推進ための最新の手引きであるため、卒論のテーマである「自殺に関する報道内容の遷移」に関連すると思いました。

 

まず、報道にあたってしてはいけないことが記されていました。

・自殺の報道記事を目立つように配置しないこと。また報道を過度に繰り返さないこと

・自殺をセンセーショナルに表現する言葉、よくある普通のこととみなす言葉を使わないこと

・自殺を前向きな問題解決策の一つであるかのように紹介しないこと

・自殺に用いた手段について明確に表現しないこと

・自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えないこと

・センセーショナルな見出しを使わないこと

・写真、ビデオ映像、デジタルメディアへのリンクなどは用いないこと

 

ここに、近年ではインターネットが重要視されるようになり、「写真、ビデオ映像、デジタルメディアへのリンクなどは用いないこと(Donʼt use photographs, video footage or social media links)」という文言が追加されています。このことから、時代に合わせて報道に関する注意点も変化していることがわかりました。

このようにして今後も、自殺に関する報道の仕方が変化し、それに応じた対応策が取られていきます。

 

この文書の中には、「自殺の報道もしくは自殺の描写に反応して起きる模倣自殺関連行動の科学的根拠は、1970年代まで裏付けに乏しいものであった。1970年代になると、Phillips(1)がアメリカの新聞の1面に自殺関連の記事が掲載された月と、全く掲載されなかった月の自殺数を比較した後ろ向き研究を発表した。過去20年の研究期間において、1面に自殺記事が発表された月は33ヶ月であり、その33ヶ月のうち26ヶ月に自殺死亡者数の著しい増加があった。Schmidtke とHäfner (2)の研究により、テレビのニュース番組の放送後にも模倣の影響が認められた。」と書かれており、自殺報道が原因となった自殺に関する裏つけの難しさが感じられます。ですので、やはり私のテーマは「SNS希死念慮に対する影響について」ではなく、「自殺に関する報道内容の遷移についての分析」が良いと思いました。年代ごとに、自殺に関する報道やフィクション作品数、自殺者数など、様々な観点から研究していきたいです。特に、この文書にあるような「してはいけない」とされている報道の数を軸にして、その数の動きを見るのも面白いかと思いました。

 

今回はここまでにします。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。