将棋界の師弟関係

こんにちは、松本沙希です。

 先日は藤井聡太さんが史上最年少で二冠を獲ったことがニュースになっていましたね。最近観る将になりつつあるのですごく嬉しかったです。ニュースでは師匠である杉本八段がよくゲスト出演して師弟エピソードを語っていましたが、私は藤井二冠の最年少タイトル獲得より将棋界の師弟関係が気になりました。

 

 将棋界はプロ棋士からの推薦がなければ奨励会というプロなるための機関に入ることが出来ません。つまり、プロ棋士に弟子入りしなければプロ棋士になれないのです。師匠は弟子をプロ棋士にするために指導をしますが、弟子がプロ棋士になるとその瞬間からライバルになります。ここが相撲や落語など他の業界と違う点だと思いました。相撲は引退した力士が師匠となるし、落語は芸事ですから明確に勝負をするものではありません。

 

 しかし将棋は、(師匠が現役なら)プロ棋士対プロ棋士としてバチバチに戦わなければならず、ときにはタイトルや昇段をかけて師弟対決をすることもあります。これは師匠にとっても弟子にとっても複雑な気がしますが、将棋界では弟子が師匠に勝つことを「恩返し」と言うそうです。すごい。

 

 ちなみに杉本八段は弟子であっても棋士として対等であるために月謝を取らないんだそうです。すごい。

 

 杉本八段と藤井二冠以外にも師弟共に現役プロ棋士のケースはよくありますが、それぞれにいろんなエピソードがあっていつも感銘を受けます。すごい。

 

 さっきからすごいすごい言っていますが、何がすごいと思ったかというと

①自分の経歴に奢ることなく、一回りも二回りも年下の弟子に対してリスペクトを忘れないこと。

②いずれ自分にとって脅威となりうる存在であっても、弟子の成長を願って指導できること。

③たとえ負けてもそれを「恩返し」として弟子の成長を喜べること。(これは人によるけど)

 

 これってすごく難しいことだと思います。私なら無理です。子供に対して対等にリスペクト出来ないし、ライバルなんて出来れば増やしたくないです。

 

 いろんなインタビューとか見ていると棋士の先生方って人として本当に立派な方ばかりだなと感じます。私もそんな人間になりたいです。

 

 それぞれの門下にいろんな素晴らしいエピソードがあるので良ければ調べてみてください。